持続可能な社会づくりの一問一答と流れの解説
持続可能な開発とSDGsの考え方から始め、地域社会の活性化、多様性の尊重、合意形成と社会参画をたどります。まず流れの解説を読み、一問一答(19問)と、用語から説明を選ぶ4択で確認します。
一度の正解は「正解済み」、別の日にも正解すると「定着」と表示します。
流れの解説
持続可能な開発とSDGs
環境を守ることと、貧しい人々の生活を豊かにする開発とは、ときに対立するように見えます。この二つを結び付けたのが、1987年に国連の「環境と開発に関する世界委員会」(ブルントラント委員会)が示した持続可能な開発という考え方です。将来の世代のニーズを満たす能力を損なわずに、現在の世代のニーズを満たす開発をめざすもので、今の世代が資源を使い尽くしたり環境を壊したりすれば、将来の世代の選択の幅を奪うことになるという問題意識に立っています。この考え方は、1992年の地球サミットで国際社会の共通の理念とされました。
2000年の国連ミレニアム・サミットで採択された宣言をもとに、極度の貧困と飢餓の撲滅などの8つの目標を掲げたMDGsがまとめられ、2015年を期限に取り組みが進められました。これを引き継いで2015年に国連で採択されたのがSDGsです。「誰一人取り残さない」を理念に、貧困・教育・ジェンダー平等・気候変動などにわたる17のゴールと169のターゲットを掲げ、先進国も発展途上国も取り組む目標とされました。こうした課題を自分のこととしてとらえ、行動につなげる力を育てる教育はESDと呼ばれます。SDGsは、国や国際機関だけでなく、企業や地方公共団体、学校、市民一人一人が取り組むことを求めている点に特徴があります。17のゴールは互いに結び付いており、例えば貧困をなくすことは教育や健康の改善にもつながります。
地域社会の課題と活性化
持続可能な社会は、私たちが暮らす地域から考えることもできます。日本では、若い世代が都市に移って人口が大きく減る過疎が進む地域があり、高齢者が住民の半数以上を占めて共同生活の維持が難しくなった限界集落も生まれています。一方、都市部でも、住民どうしのつながりが弱まり、子育てや介護を地域で支え合う力が低下していることが課題とされています。
地域を活性化する取り組みとして、地域でとれた農林水産物を地域で消費する地産地消や、農林漁業者が生産だけでなく加工や販売までを手がけて付加価値を高める6次産業化があります。また、人口が減っても暮らしやすい地域を保つため、住宅や病院、商業施設などを中心部に集めて公共交通で結ぶコンパクトシティをめざす自治体もあります。地域の課題は、行政だけでなく、住民や企業、学校などが知恵を出し合うことで解決の道が開けます。地方公共団体の計画づくりに住民が意見を寄せたり、地域の祭りや防災の活動に参加したりすることも、地域を持続させる力になります。
多様性の尊重と共生
地域社会には、年齢や障害の有無、国籍や文化などが異なるさまざまな人が暮らしています。国籍や民族の違う人々が、互いの文化的な違いを認め合い、対等な関係を築きながら地域でともに生きていくことを多文化共生といいます。
障害のある人も高齢者も、ほかの人と同じように地域でふつうの生活を送れる社会こそが本来の姿だとする考え方をノーマライゼーションといいます。この考え方を実現する手段として、段差をなくすなど、すでにある障壁を取り除くバリアフリーが進められてきました。さらに、はじめからすべての人が使いやすいように製品や建物を設計するユニバーサルデザインという考え方も広がっています。バリアフリーが特定の人のために後から障壁を取り除くのに対し、ユニバーサルデザインは誰もが利用することを最初から前提にする点が異なります。また、外国から来た住民のために、行政の案内を複数の言語や分かりやすい日本語で伝える取り組みも進められています。多様な人がいることを前提に社会のしくみをつくることが、誰一人取り残さない社会につながります。
合意形成と社会参画
社会の課題には、立場によって利害や意見が異なるものが多くあります。一つの意見を押し通すのではなく、話し合いを通じて互いの考えを調整し、多くの人が納得できる結論をつくる合意形成が大切です。その際には、効率と公正の両方の観点から案を比べ、少数の意見にも耳を傾けることが求められます。議論の前提となる事実を確かめ、それぞれの案が誰にどのような影響を与えるのかを具体的に考えることも、合意形成の大切な手順です。決まったことを実行した後に結果を確かめ、必要に応じて見直す姿勢も欠かせません。
社会に参画する方法は、選挙での投票だけではありません。地域の清掃や子どもの学習支援、災害時の支援など、身近な場で社会の課題に関わることもできます。1995年の阪神・淡路大震災では多くの人が被災地に駆けつけ、この年は「ボランティア元年」と呼ばれました。これをきっかけに、1998年に特定非営利活動促進法(NPO法)が制定され、利益の分配を目的とせずに社会的な活動を行うNPOが法人格を得やすくなりました。また、社会的な課題を事業として収益をあげながら解決するソーシャルビジネスや、環境や人権に配慮した商品を選ぶエシカル消費のように、働き方や消費を通じて社会に関わる方法もあります。身近な課題に気づき、自分にできることを考えて行動することが、持続可能な社会をつくる主体としての第一歩です。
社会に参画する主体としての自分の在り方は第1章「社会に参画する自立した主体」で、選挙などを通じた政治参加は第6章「政治参加と世論」で、地球環境の問題は第13章「地球環境と資源・エネルギー」で扱います。
一問一答
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用語から説明を選ぶ(4択)
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