地球環境と資源・エネルギーの一問一答と流れの解説
地球環境問題への国際的な取り組みと地球温暖化の枠組みから始め、日本の環境政策、循環型社会、エネルギーの選択をたどります。まず流れの解説を読み、一問一答(20問)と、用語から説明を選ぶ4択で確認します。
一度の正解は「正解済み」、別の日にも正解すると「定着」と表示します。
流れの解説
地球環境問題への国際的な取り組み
産業の発展によって社会は豊かになりましたが、人間の活動は地球規模の環境問題も引き起こすようになりました。大気や海は国境を越えてつながっているため、環境問題は一国だけでは解決できず、国際的な協力が求められます。1972年にはストックホルムで国連人間環境会議が開かれ、「かけがえのない地球」を標語に、環境問題を国際社会全体の課題として位置づけました。1992年にはリオデジャネイロで地球サミットが開かれ、「持続可能な開発」を理念に掲げて、気候変動や生物の多様性に関する条約の署名が始まりました。環境問題は、今を生きる世代だけでなく、まだ生まれていない将来の世代の生活にも関わる点に特徴があります。地球環境問題には、地球温暖化のほか、オゾン層の破壊、酸性雨、砂漠化、森林の減少、海洋のプラスチックごみなどがあり、原因と被害が国や地域をまたいで現れます。また、先進国はこれまで多くの資源を使って経済を発展させてきたのに対し、発展途上国はこれから開発を進めようとしているため、誰がどれだけ責任を負うのかをめぐって、両者の主張が対立することもあります。
地球温暖化と国際的な枠組み
二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスは、地表から出る熱を吸収して大気を暖めます。産業革命以降、石炭や石油などを大量に燃やしてきたことで大気中の濃度が高まり、地球温暖化が進んでいます。温暖化は、海面の上昇や異常気象、生態系の変化などをもたらすと考えられています。その影響は、海面の上昇で国土を失うおそれのある島国や、干ばつに弱い農業に頼る地域など、温室効果ガスをあまり出してこなかった国々に強く表れるとも指摘されています。
1992年に採択された気候変動枠組条約に基づき、1997年の締約国会議では京都議定書が採択され、先進国に排出削減の数値目標が義務づけられました。目標を達成する手段として、余った削減の枠を国や企業の間で売買する排出量取引なども認められました。排出量取引は、削減の費用が安い所で多く削減することにつながるため、社会全体として少ない費用で目標を達成できるしくみとされています。ただし、京都議定書は発展途上国に削減の義務を課さず、アメリカも離脱したことなどから、効果に限界があると指摘されました。そこで2015年に採択されたパリ協定では、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をするという目標を掲げ、先進国・発展途上国を問わずすべての締約国が削減目標を自ら定めて提出することになりました。多くの国が、排出量と吸収量を差し引きゼロにするカーボンニュートラルを目標に掲げています。
オゾン層・生物多様性と日本の環境政策
冷蔵庫の冷媒などに使われたフロンは、有害な紫外線をさえぎるオゾン層を破壊します。1987年に採択されたモントリオール議定書によってフロンの生産と消費が段階的に規制され、国際協力が成果を上げた例とされています。また、開発による森林の減少などで多くの生物が絶滅の危機にあることから、1992年に生物多様性条約が結ばれ、生き物の多様さを守り、それを持続可能な形で利用することがめざされています。
日本では、高度経済成長期の公害をきっかけに公害対策基本法が定められ、1993年には地球環境の保全も視野に入れた環境基本法に引き継がれました。開発事業の前に環境への影響を調べて評価する環境アセスメントは、1997年に法律で制度化されました。また、汚染を防ぎ取り除く費用は汚染を生み出した者が負担するべきだという汚染者負担の原則も、環境政策の基本的な考え方です。公害の被害者の救済や、事業者に汚染の防止を求める規制は、こうした考え方に支えられています。
循環型社会とエネルギーの選択
大量生産・大量消費・大量廃棄の社会を見直すため、2000年に循環型社会形成推進基本法が制定されました。この法律は、廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用などの取り組みに優先順位を付けています。発生抑制・再使用・再生利用をまとめて3Rといい、なかでもごみそのものを減らすリデュースが最も優先されます。再使用はリユース、再生利用はリサイクルと呼ばれます。家電や容器包装、自動車などについては、品目ごとにリサイクルの法律が定められ、製造業者や消費者の役割が決められています。
現代の社会は、石炭・石油・天然ガスといった化石燃料に多くのエネルギーを頼っています。化石燃料は埋蔵量に限りがあり、燃やすと温室効果ガスを出します。そこで、太陽光・風力・地熱・水力・バイオマスなど、枯渇の心配がなく温室効果ガスをほとんど出さない再生可能エネルギーの普及が進められています。日本では2012年に、再生可能エネルギーで発電した電気を国が定めた価格で電力会社が買い取る固定価格買取制度が始まりました。ただし、再生可能エネルギーには天候による発電量の変動や費用の問題もあります。原子力発電の扱いを含め、どのエネルギーをどう組み合わせるかについては、安定供給・費用・環境・安全のどれを重く見るかによって意見が分かれています。
環境保護を倫理の観点から考える見方は第2章「選択・判断の手掛かりとなる考え方」で、市場の失敗としての公害は第9章「市場経済のしくみ」で扱います。まなびジムの政経ジムの「消費者問題・環境・中小企業・農業」の章や、倫理ジムの「生命・自然・科学技術と倫理」の章でも、さらに詳しく確かめられます。
一問一答
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