金融のはたらきの一問一答と流れの解説
資金の融通という金融の役割から始め、銀行と日本銀行の金融政策、株式会社と資金調達、金融商品と資産形成、キャッシュレスなどの新しい動きをたどります。まず流れの解説を読み、一問一答(29問)と、用語から説明を選ぶ4択で確認します。
一度の正解は「正解済み」、別の日にも正解すると「定着」と表示します。
流れの解説
金融と金利
経済の中には、お金に余裕のある家計や企業と、事業を始めたり設備を増やしたりするためにお金が足りない企業や政府があります。両者の間で資金を融通することを金融といい、資金が貸し借りされる場を金融市場といいます。お金を借りた側は、借りた額である元本に加えて利子を支払います。元本に対する利子の割合が金利で、金利は資金の貸し借りにおける価格の役割を果たしています。資金を借りたい人が多ければ金利は上がり、少なければ下がります。
資金の融通の方法には2つあります。企業が株式や社債を発行して、家計などから直接に資金を集める方法を直接金融、銀行が預金として集めた資金を企業に貸し出す方法を間接金融といいます。日本では長く間接金融の比重が高く、銀行が企業の資金調達の中心を担ってきました。近年は、金融の自由化や証券市場の整備により、直接金融の役割も大きくなっています。銀行のほか、株式などの売買を仲立ちする証券会社や、事故や病気に備える保険を扱う保険会社も、金融の担い手です。銀行は、預金の一部を支払いに備えて残し、残りを貸し出します。貸し出されたお金はやがて別の銀行に預けられ、それがまた貸し出されます。これを繰り返すことで、最初の預金の何倍もの預金が生まれるはたらきを信用創造といいます。
日本銀行と金融政策
各国には、通貨の発行や金融の仕組みの安定を担う中央銀行があり、日本では日本銀行がこれに当たります。日本銀行は、日本で唯一紙幣を発行する発券銀行、国の資金を預かり受け払いを行う政府の銀行、市中の金融機関と取引をする銀行の銀行という3つの役割をもっています。
日本銀行が物価の安定などを目的に、通貨の量や金利を調整することを金融政策といいます。現在の中心的な手段は公開市場操作で、市中の金融機関との間で国債などを売買します。景気が悪く物価が下がり続けるデフレーションのときには、国債などを買う買いオペレーションで市場に資金を供給し、金利を下げて企業がお金を借りやすくします。これを金融緩和といいます。反対に景気が過熱して物価が上がりすぎるときは、国債などを売って資金を吸収し、金融を引き締めます。1990年代以降の長い不況の中で、日本銀行は金利をほぼゼロまで下げ、さらに資金の量を目標にする量的緩和政策など、それまでにない手段もとってきました。金融政策は景気や物価に大きな影響を与えるため、日本銀行は政府から独立して判断することが法律で認められています。
株式会社と資金調達
企業が直接金融で資金を集める代表的な形が株式会社です。株式会社は株式を発行して多くの人から出資を募り、出資者である株主は、利益の中から配当を受け取り、株主総会で取締役の選任などに加わります。株主は出資した額を失う以上の責任を負わない有限責任なので、多くの人が安心して出資できます。大きな会社では、株主が経営を専門の経営者に任せる所有と経営の分離が進んでいます。株式のほかに、期日に元本を返す約束で資金を借りる社債もあります。
株主や投資家が適切に判断できるよう、企業には経営や財務の状況を公開するディスクロージャーが求められます。また、経営者が株主などの利益に反する行動をとらないよう監視するコーポレート・ガバナンスの強化も課題となっています。
資産形成とリスク
家計にとって、金融商品を選ぶことは将来に向けた資産形成の手段です。金融商品は、元本が守られるかという安全性、すぐに現金に換えられるかという流動性、どれだけ利益を期待できるかという収益性の3つの基準で比べられます。一般に、大きなリターンを期待できる商品ほど、損失が出る可能性や値動きの幅であるリスクも大きくなり、3つをすべて満たす商品はありません。値動きの異なる資産を組み合わせる分散投資や、時間をかけて少しずつ買う長期の積立は、リスクを抑える方法として知られています。国も、投資で得た利益の一部を非課税にするNISAなどで、家計の資産形成を後押ししています。また、借りる側にも注意が必要です。クレジットカードの分割払いやリボルビング払い、ローンは便利ですが、金利の負担がふくらみ、返済が難しくなる多重債務に陥る人もいます。成年になれば自分の判断でこうした契約を結べるので、返済の計画を立ててから利用することが大切です。
金融の新しい動き
情報技術の発達により、スマートフォンでの送金や家計管理などのフィンテックと呼ばれるサービスが広がり、クレジットカードや電子マネー、コード決済を使うキャッシュレス決済も身近になりました。キャッシュレス決済には、現金を扱う手間が減り、支払いの記録が残るといった利点がある一方、使いすぎや個人情報の流出、停電時に使えないといった課題もあります。インターネット上でやり取りされる暗号資産も登場しましたが、価格が大きく変動し、詐欺などのトラブルも起きています。便利さと危険性の両方を理解し、仕組みが分からない商品には手を出さない慎重さが求められます。
政府の財政政策は第11章「財政・租税と社会保障」で扱います。金融の仕組みや株式会社は、まなびジムの政経ジムの「金融と企業経営」の章で、さらに詳しく確かめられます。
一問一答
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