政治参加と世論の一問一答と流れの解説
国民主権と国会中心の政治から始め、表現の自由と世論、選挙のしくみ、メディアと情報、地方自治と住民の参加をたどります。まず流れの解説を読み、一問一答(28問)と、用語から説明を選ぶ4択で確認します。
一度の正解は「正解済み」、別の日にも正解すると「定着」と表示します。
流れの解説
国民主権と国会中心の政治
日本国憲法は、国の政治のあり方を最終的に決める力が国民にあるという国民主権を基本原理としています。主権者である国民は、主に選挙で選んだ代表者を通じて政治に参加します。そのため、国民の代表者で構成される国会が「国権の最高機関」であり「国の唯一の立法機関」とされ、法律の制定や予算の議決、内閣総理大臣の指名などを通じて政治の中心に位置づけられています。
大日本帝国憲法で主権者とされた天皇は、日本国憲法では日本国と日本国民統合の象徴とされ、国政に関する権能をもちません。天皇は、国会の召集、衆議院の解散、法律の公布など、憲法に定められた形式的・儀礼的な国事行為だけを行い、それには内閣の助言と承認が必要で、内閣がその責任を負います。
民主政治では、話し合っても意見が一致しないとき、最終的には多数決で決めます。しかし、多数派が常に正しいとは限らず、多数決が少数派の権利を踏みにじる道具になるおそれもあります。そのため、決定の前に十分に議論し、少数意見の尊重を心がけることが大切です。
表現の自由と世論の形成
国民が政治について判断するには、自由に意見を述べ、情報を得られることが前提になります。日本国憲法第21条が保障する表現の自由は、民主政治を支える特に重要な権利とされます。また、国や地方公共団体がもつ情報を国民が知ることのできる知る権利も主張されるようになり、1999年に制定された情報公開法は、行政機関に文書の開示を請求できる仕組みを設けました。
自由な議論の中で形づくられる、社会の問題についての多くの人々の意見を世論といいます。世論を政治に届ける役割を担うのが、政策を掲げて政権の獲得をめざす政党です。これに対して、業界団体や労働組合などのように、政権の獲得はめざさずに自分たちの利益のため政府や政党に働きかける集団を圧力団体といいます。地域の環境や開発の問題について住民が自発的に集まり、行政に要望する住民運動も、世論を形づくる手段の一つです。
選挙のしくみと政治参加
選挙は、国民が政治に参加する最も基本的な機会です。選挙権・被選挙権や選挙運動のルールは公職選挙法が定めており、2015年の改正で選挙権年齢は満20歳以上から満18歳以上に引き下げられました。選挙制度には、1つの選挙区から1人を選ぶ小選挙区制や、政党の得票数に応じて議席を配分する比例代表制などがあります。小選挙区制は大きな政党に有利で政権が安定しやすい一方、落選した候補者に投じられた死票が多くなります。比例代表制は少数意見を議席に反映しやすい一方、小さな政党が多く生まれて政権が不安定になりやすいとされます。衆議院の選挙では、この2つを組み合わせた小選挙区比例代表並立制がとられています。
選挙区ごとに議員1人当たりの有権者数が違うと、1票の重みに差が生じます。この一票の格差は法の下の平等に反するとして、たびたび裁判で争われてきました。また、若い世代を中心とする投票率の低さも課題です。政治に関心をもたず投票に行かない政治的無関心が広がると、一部の人の意見だけが政治に反映されるおそれがあります。
メディアと情報の読み解き
多くの人は、新聞やテレビなどのマスメディアを通じて政治や社会の情報を得てきました。マスメディアは権力を監視する役割をもつ一方、取り上げる話題の選び方や伝え方によって世論に大きな影響を与えます。近年は、利用者どうしが情報を発信・共有するSNSが広がり、誰もが手軽に意見を表明できるようになりました。しかし、根拠のない情報やうわさが短い時間で広がることもあります。
そのため、情報の発信元や根拠を確かめ、複数の情報を比べて主体的に読み解くメディア・リテラシーが求められます。また、他人を傷つけたり権利を侵したりしないよう、情報社会で適正に行動するための考え方や態度である情報モラルも欠かせません。災害の際には、自治体が作成するハザードマップや、国・自治体が出す避難情報を正しく受け取り、確かな情報を周りに伝えることが命を守ることにつながります。
地方自治と住民の参加
地方自治は、住民にとって最も身近な政治の場です。イギリスの政治学者ブライスは、地域の問題に関わる経験が民主政治を担う力を育てるとして、「地方自治は民主主義の学校」と述べました。日本国憲法は、地方公共団体の組織と運営を地方自治の本旨に基づいて定めるとしています。その内容は、地方公共団体が国から独立して自らの意思と責任で地域の行政を行う団体自治と、地域の政治を住民の意思に基づいて行う住民自治の2つからなると説明されます。
住民自治を具体化する仕組みとして、地方自治法は、一定数の署名を集めて条例の制定・改廃、事務の監査、議会の解散、首長や議員の解職などを求める直接請求権を定めています。また、地域の重要な問題について、条例に基づいて住民が賛否を示す住民投票が行われることもあります。
地方自治の仕組みは、まなびジムの政経ジムの「地方自治」の章で、選挙制度や政党は同じく「選挙・政党・世論」の章で、さらに詳しく確かめられます。基本的人権の全体像は第5章「司法と人権」で扱います。
一問一答
問題一覧を開き、答えの帯を押すと答えが出ます。
全問題の一覧を見る
用語から説明を選ぶ(4択)
用語を見て、正しい説明を4つから選びます。似た種類の用語の説明と比べて選びます。回答後に正しい用語との対応を確認できます。キーボードでは1〜4で選べます。