職業選択と雇用・労働の一問一答と流れの解説
働くことの意味と職業選択から始め、労働者の権利を守る法律、労働契約、日本的雇用慣行と雇用の変化、仕事と生活の調和をたどります。まず流れの解説を読み、一問一答(28問)と、用語から説明を選ぶ4択で確認します。
一度の正解は「正解済み」、別の日にも正解すると「定着」と表示します。
流れの解説
働くことと職業選択
働くことは、収入を得て生活を支える手段であると同時に、社会の中で役割を果たし、自分の能力を発揮して成長する機会でもあります。どのような仕事を選ぶかは、何のために働くのかという勤労観・職業観と深く結びついています。高校生や大学生のうちに、企業などで就業体験をするインターンシップに参加すると、仕事の実際を知り、自分に合った進路を考える手掛かりになります。
産業構造の変化やAIなどの技術の進歩によって、求められる仕事の内容は変わり続けています。会社に雇われて働くだけでなく、自ら会社を設立して事業を始める起業という選択肢もあります。日本国憲法第27条は、働く意思と能力のある人が国に働く機会の確保を求めることができる勤労権を保障し、国は公共職業安定所(ハローワーク)による職業紹介や、職業訓練などを通じてこれに応えています。同じ条文は、勤労を国民の義務とも定めています。
労働三権と労働三法
働く人の多くは、企業などに雇われて賃金を受け取る労働者です。一人の労働者は、雇う側である使用者に比べて弱い立場にあり、自由な契約に任せると、低い賃金や長時間労働を受け入れざるをえなくなります。そこで日本国憲法第28条は、労働者が団結して使用者と対等に交渉できるよう、労働三権を保障しています。労働組合を結成し加入する団結権、労働条件について使用者と話し合う団体交渉権、要求を実現するためにストライキなどの争議行為を行う団体行動権の3つです。ただし公務員については、職務の公共性を理由に、争議行為の禁止など労働三権の一部が法律で制限されています。
これらの権利を具体化するのが、労働基準法・労働組合法・労働関係調整法の労働三法です。労働組合法は労働組合の結成を保障し、組合員であることを理由とする解雇や、正当な理由のない団体交渉の拒否などを不当労働行為として禁じています。労働関係調整法は、労使の対立がこじれた労働争議を、斡旋・調停・仲裁によって解決する手続を定めています。これらの手続や不当労働行為の審査を担うのが、使用者・労働者・公益の三者の委員からなる労働委員会です。
労働契約と労働者の保護
働き始めるとき、労働者と使用者は、使用者の下で働き賃金を受け取ることに合意して労働契約を結びます。契約である以上、内容は当事者の合意で決まるのが原則ですが、労働基準法は賃金・労働時間・休日などの最低基準を定め、これを下回る契約の部分を無効にしています。常時10人以上の労働者を使用する職場では、労働時間や賃金などのルールをまとめた就業規則を作り、届け出なければなりません。労働契約法は、契約の成立や変更のルールを定めるとともに、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は無効になるとしています。働き始める前に、賃金や労働時間などの労働条件が書面で示されているかを確かめることも大切です。
労働時間は、休憩時間を除いて1週40時間・1日8時間が法定労働時間です。これを超えて働かせるには、労働者の過半数で組織する労働組合などと三六協定を結び、割増賃金を支払う必要があります。こうした規定が守られているかは、各地の労働基準監督署が監督します。また、最低賃金法に基づき、使用者は国が定める最低賃金以上の賃金を支払わなければなりません。それでも長時間労働はなくならず、働きすぎによる過労死が社会問題になっています。近年は、時間外労働に罰則付きの上限が設けられるなど、働き方を見直す法改正も行われてきました。
日本的雇用慣行と雇用の変化
高度経済成長期の日本では、新卒者を一括採用して定年まで雇う終身雇用、勤続年数に応じて賃金が上がる年功序列型賃金、企業ごとに組織される企業別労働組合が広く見られ、日本的雇用慣行と呼ばれました。これらは雇用の安定や労使の協調をもたらし、企業内で長期的に人材を育てることを可能にしました。その反面、転職すると不利になりやすく、女性や中途採用の人が昇進しにくいといった問題も指摘されてきました。
一方、経済の低成長やグローバル化の中で、企業は人件費を抑えるため、パートタイム労働者や派遣労働者、契約社員などの非正規雇用を増やしてきました。非正規雇用は働く時間を選びやすい面がある一方、賃金が低く、雇用が不安定になりやすいという課題があります。そこで、同じ企業の中で正社員との不合理な待遇の差をなくす同一労働同一賃金の考え方に基づく法整備が進められました。成果主義の賃金や転職の広がりなど、雇用の在り方も多様になっています。
仕事と生活の調和
性別にかかわらず能力を発揮して働けるよう、男女雇用機会均等法は、募集・採用から昇進・退職までの性別による差別を禁じています。また、育児・介護休業法は、子を育てたり家族を介護したりするために休業できる制度を定めています。仕事と家庭生活や地域活動とを両立させるワーク・ライフ・バランスの実現は、少子高齢化が進む社会で、働く人の健康と暮らしを守るためにも重要な課題です。男性の育児休業の取得や、職場でのハラスメントの防止、在宅勤務(テレワーク)などの柔軟な働き方も、その実現に向けた取組の例です。
社会保障や雇用保険の仕組みは、第11章「財政・租税と社会保障」で扱います。労働三法や雇用の変化は、まなびジムの政経ジムの「労働問題と社会保障」の章で、さらに詳しく確かめられます。
一問一答
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用語から説明を選ぶ(4択)
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